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論文

Influence of a positive grid biasing on RF system in J-PARC RCS

山本 昌亘; 野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Proceedings of 13th International Particle Accelerator Conference (IPAC 22) (Internet), p.1336 - 1338, 2022/06

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、大強度ビーム加速時に大振幅のビーム負荷補償を行うために、真空管増幅器から大振幅の高周波電流を供給している。RCSでは四極真空管を使用しており、コントロールグリッドが正電圧に入る領域(ポジティブ・グリッド・バイアス)で使用している。この影響で、コントロールグリッドには陽極電流の一部が流れ込み、コントロールグリッド電圧波形を歪めたり、コントロールグリッドのDCバイアス電圧の急激な低下を招く影響が観測された。本発表では、電圧波形の歪みとDCバイアス電圧低下の測定結果を示し、対処可能な方法について述べる。

論文

Vacuum tube operation tuning for a high intensity beam acceleration in J-PARC RCS

山本 昌亘; 沖田 英史; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; et al.

Proceedings of 12th International Particle Accelerator Conference (IPAC 21) (Internet), p.1884 - 1886, 2021/08

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、ビームを加速する高周波電圧の発生に四極真空管を用いている。これまでのところ真空管の寿命を延ばすために、真空管に印加するフィラメント電圧を定格値よりも下げて使用している。2020年に初めて、60000時間運転したところで1本の真空管が寿命を迎えた。これは真空管メーカーが推奨(もしくは保障)する運転時間よりも長いことを意味しており、フィラメント電圧を下げることが有効であることを示唆している。しかし、フィラメント電圧を下げて使用すると、電子放出が減ることになる。大強度ビームを加速するときにはビームによって誘起される電圧(ウエイク電圧)を補償するため大振幅の陽極電流が必要となるが、フィラメントからの電子放出が少ないため、それを補おうとしてコントロールグリッド回路を駆動する半導体増幅器が出力不足になる現象が発生した。そこで、実際に印加しているフィラメント電圧の定格に対する割合を85%から95%にしたところ、同じビームパワーを加速するのに必要な半導体増幅器の出力を大幅に減少させることができた。本発表では、フィラメント電圧調整の観点から、真空管のパラメーター測定の結果について述べる。

論文

Vacuum tube operation analysis for 1.2 MW beam acceleration in J-PARC RCS

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2017 - 2019, 2019/06

J-PARC RCSは1MWビーム加速を達成し、さらなる高度化を目指して次の設定値としては1.2MW加速を検討している。1.2MW加速を実現するにあたっての課題の一つは、RFシステムである。現状の陽極電源は既に出力電流の限界に達しており、真空管はマルチハーモニック励振とプッシュプル動作から生じるアンバランスに対処しなければならない。これらの課題を解決するためには、加速空胴と真空管増幅器の系からなる回路網について、適切な値を選ばなければならない。本報告では、1.2MWビーム加速における真空管動作解析の結果を示し、現状の回路網の値を最適化することで1.2MW加速を達成可能であることを示す。

論文

Conceptual design of a single-ended MA cavity for J-PARC RCS upgrade

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Journal of Physics; Conference Series, 1067, p.052014_1 - 052014_6, 2018/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:79.05(Physics, Particles & Fields)

J-PARC RCSでは金属磁性体を用いた高周波加速空胴において、真空管のプッシュプル励振により高周波電力を供給している。そして、空胴の広帯域インピーダンス特性を生かしてマルチハーモニック励振及びビーム負荷補償を行っているが、プッシュプル励振はマルチハーモニック励振に際して欠点があることが判明した。それは、ビーム強度が上がってきた場合に、陽極電圧振幅のアンバランスが顕著になることである。そのためRCSのビームパワー増強に向けて、シングルエンド励振の金属磁性体空胴を考案した。これにより、陽極電圧振幅のアンバランスが本質的に発生しない空胴を実現できる。

論文

流路長の長い矩形スリットのコンダクタンス測定

荻原 徳男; 引地 裕輔*; 神谷 潤一郎; 金正 倫計; 吉田 肇*; 新井 健太*

Journal of the Vacuum Society of Japan, 60(12), p.475 - 480, 2017/12

In order to achieve stable operation of J-PARC accelerator, we studied the conductance of a slit used for a gas sheet monitor. The flow rate of a rarefied gas through a long rectangular channel with a very small height (H) to width (W) ratio was experimentally investigated using N$$_{2}$$ and Ar for the wide range of the Knudsen number Kn, which is defined as a ratio of H to the mean free path. Here the dimensions of the channel are as follows: H=0.1 mm, W=50 mm, and the length L=100 mm. The conductance, which is proportional to the dimensionless flow rate, decreases from the value in free-molecular regime and reaches the Knudsen minimum at Kn $$sim$$ 1.2, as the inlet gas pressure increases. Then, assuming fully developed gas flow, the reduced flow rate G has been estimated as a function of the local rarefaction parameter using the experimental data.

論文

Vacuum properties and operation stability of the radio-frequency quadrupole accelerator in Japan Proton Accelerator Research Complex linac

森下 卓俊; 近藤 恭弘; 小栗 英知; 長谷川 和男

Journal of Vacuum Science and Technology A, 35(4), p.041602_1 - 041602_5, 2017/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:4.86(Materials Science, Coatings & Films)

J-PARCリニアックでは水素イオンビームを400MeVに加速して後段の3GeVシンクロトロンに供給する。ビーム出力増強のため、2014年にリニアック初段部(イオン源、高周波四重極空洞(RFQ)、ビームチョッピングシステム)を強化した。ピーク電流を30mAから50mAに増加させたRFQは新たに設計、製作され、2014年夏にインストールした。2週間の真空排気の後に大電力調整運転を開始し、同年11月初旬からはビーム供給運転に移行した。現在までの2年間、深刻な問題も発生することなく運転を継続しているが、ビーム運転中、空洞内でスパーキングが頻発するため、現時点ではRFQ運転の安定性が十分ではない。我々は空洞内真空中に残留する不純物がこの現象に影響していると考えている。本発表では、本RFQの真空排気系の設計と性能を示すとともに、スパーキング頻度、残留ガス成分、およびビーム運転パラメータとの関連について報告する。

論文

Vacuum tube operation analysis under multi-harmonic driving and heavy beam loading effect in J-PARC RCS

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 吉井 正人*; Schnase, A.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 835, p.119 - 135, 2016/11

 被引用回数:6 パーセンタイル:49.05(Instruments & Instrumentation)

J-PARC RCSでは、金属磁性体を装荷した広帯域加速空胴でマルチハーモニックの電圧を発生させることができる。しかし、マルチハーモニックの下での真空管動作解析は、多変数の解析が必要となり非常に複雑である。過去の動作解析は、真空管の特性曲線から目視で読み取るか、シングルハーモニックで波形を仮定した解析しか行われていなかった。真空管動作を自動で解析するコードを開発し、マルチハーモニックの下でも真空管動作を解析することに初めて成功した。開発したコードは実際の大強度陽子ビーム加速試験において検証され、計算結果と測定結果がよく一致することを確認した。この解析手法の開発により、大強度陽子シンクロトロン加速器における真空管動作の正確な計算が行えるようになり、ビームの品質向上に寄与することが期待される。

論文

Vacuum chromatography of Tl on SiO$$_{2}$$ at the single-atom level

Steinegger, P.*; 浅井 雅人; Dressler, R.*; Eichler, R.*; 金谷 佑亮*; 水飼 秋菜*; 永目 諭一郎; Piguet, D.*; 佐藤 哲也; Sch$"a$del, M.; et al.

Journal of Physical Chemistry C, 120(13), p.7122 - 7132, 2016/04

 被引用回数:23 パーセンタイル:60.41(Chemistry, Physical)

超重元素の吸着エンタルピー測定のため、真空クロマトグラフィーという新しい実験手法の開発を行い、短寿命タリウム同位体を用いて実証実験を行った。原子力機構タンデム加速器を用いて短寿命タリウム同位体を合成し、オンライン同位体分離装置を用いてイオン化・質量分離したタリウムイオンビームを真空等温クロマトグラフィー装置に導入し、SiO$$_{2}$$表面に対するタリウム原子の吸着の温度依存性を測定した。その結果から吸着エンタルピーを158KJ/molと決定した。タリウムは113番元素の同族元素であり、本研究で開発した真空クロマトグラフィー法は、半減期1秒オーダーの超重元素の化学研究を可能にすると期待される。

論文

Development of residual thermal stress-relieving structure of CFC monoblock target for JT-60SA divertor

鶴 大悟; 櫻井 真治; 中村 誠俊; 尾崎 豪嗣; 関 洋治; 横山 堅二; 鈴木 哲

Fusion Engineering and Design, 98-99, p.1403 - 1406, 2015/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:25.64(Nuclear Science & Technology)

Carbon Fibre-reinforced Carbon (CFC) monoblock target for JT-60SA divertor is under development toward mass-production. A CFC monoblock, a CuCrZr cooling tube at the centre of the monoblock and a interlayer were bonded by vacuum brazing in a high temperature, into a target. After the bonding, strong tensile stress was generated in the CFC monoblock around the CuCrZr cooling tube in a room temperature condition due to difference of thermal expansions between CFC and CuCrZr. In the previous trial productions, only half targets passed the acceptance test. In this research, a new structure of the targets was proposed, to reduce residual thermal stress and to depress the degradation of heat removal capacity of the targets, toward the mass-production. Some measures were implemented on the proposed. The effectiveness of the measures were evaluated by numerical simulations. Thermal performance of target mock-ups with the proposed were evaluated.

論文

Impacts of friction stir processing on irradiation effects in vacuum-plasma-spray coated tungsten

小沢 和巳; 谷川 博康; 森貞 好昭*; 藤井 英俊*

Fusion Engineering and Design, 98-99, p.2054 - 2057, 2015/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:9.71(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト鋼(F82H)は先進核融合炉の構造材料候補である。第一壁ならびにダイバータではプラズマスパッタ抑制のため、タングステン被膜が必須とされている。F82H鋼に、真空プラズマ溶射法でタングステン(W)を皮膜し、その後摩擦攪拌処理(FSP)にて強化した試料に対しイオン照射実験を実施し、WとF82Hの各要素のイオン照射後の硬さと微細組織に及ぼす細粒化の影響を調べた。これまでの結果からは、800$$^{circ}$$C、5.4dpaでイオン照射したFSP-W皮膜の顕著な照射硬化は認められていない。

論文

Beam loss suppression by improvement of vacuum system in J-PARC RCS

神谷 潤一郎; 金正 倫計; 能代谷 彰二; 山本 風海

Proceedings of 5th International Particle Accelerator Conference (IPAC '14) (Internet), p.2338 - 2340, 2014/07

大強度ビーム加速器においては、ビームラインの圧力はビームロスに直接影響を及ぼす重大な要素である。J-PARC RCSは1MWビーム出力を目標とした、世界おいて最も大強度のビーム加速器である。現状RCSにおいて、ビーム入射ラインにおける圧力がビームロスの原因のひとつとなっている。この入射ラインではリニアックからのH$$^{-}$$ビームがビームラインの残留ガスとの相互作用によって電子を剥離され、H$$^{0}$$へと変換されている。H$$^{0}$$は荷電を持たないため入射セプタム電磁石で曲げられずに真空壁へ衝突する。そのような状況を改善するために、入射ラインに真空ポンプを導入し、ビームラインの残留ガスを低減することを行った。結果、圧力を10$$^{-5}$$Pa台から10$$^{-7}$$Pa台へと低減することができ、ビームロスを5分の1にまで低減することに成功した。本論文では、真空ポンプの選定、圧力分布予想及び実測に基づいた前述の成果を報告する。

論文

Kicker magnet system of the RCS in J-PARC

神谷 潤一郎; 高柳 智弘; 川久保 忠通*; 村杉 茂*; 中村 英滋*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.168 - 171, 2006/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:33.52(Engineering, Electrical & Electronic)

キッカー電磁石はJ-PARC 3GeVシンクロトロンの出射部に設置され、3GeVに加速された陽子ビームを下流のビームラインへ蹴り出す役割をする。J-PARCプロジェクトの目標である1MWビームパワーを達成するために、キッカー電磁石には、大口径,超高真空,磁場の均一性が要求されている。本論文ではRCSキッカー電磁石システムの仕様を紹介し、上記要求に対する技術的な改善点を報告する。

論文

1 MeV, ampere class accelerator R&D for ITER

井上 多加志; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; 渡邊 和弘; 坂本 慶司

Nuclear Fusion, 46(6), p.S379 - S385, 2006/06

 被引用回数:35 パーセンタイル:74.41(Physics, Fluids & Plasmas)

ITERに向けた静電加速器R&Dの目的は、大電流密度の負イオンを1MeVまで加速することである。原研MeV級加速器は、従来のクランプ理論やパッシェンの法則をMV級高電圧,長真空ギャップ領域に外挿して設計されている。さらに、絶縁物表面の沿面放電防止には、大型電界緩和リングによる陰極接合点の電界低減が効果的であった。これら真空絶縁技術により、真空絶縁型加速器で1MVを8,500秒間安定保持することに成功した。バイトンOリングのSF$$_{6}$$ガス透過、並びに逆流電子によるポート損傷と真空リークを止めることにより、負イオンの表面生成が持続・促進され、カマボコ型負イオン源の高出力($$leq$$40kW)運転時に電流密度が飽和することなく増加した。この結果、電流密度146A/m$$^{2}$$(全負イオン電流:0.206A)の負イオンビームを836keVまで加速することに成功した(パルス幅:0.2秒)。これは、ITERで必要とされる高出力密度負イオンビーム(1MeV, 200A/m$$^{2}$$)を世界で初めて実現したものである。さらに本論文では、EGS4コードを用いて制動X線の発生量を見積もり、光電効果による放電破壊の可能性を議論する。

論文

Design study of a neutral beam injector for fusion DEMO plant at JAERI

井上 多加志; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 西尾 敏; 坂本 慶司; 佐藤 正泰; 谷口 正樹; 飛田 健次; 渡邊 和弘; 発電実証プラント検討チーム

Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1291 - 1297, 2006/02

 被引用回数:11 パーセンタイル:60.11(Nuclear Science & Technology)

核融合発電実証プラント用中性粒子入射装置(NBI)について、発電実証炉で要求される性能を議論し、その実現への技術課題を検討した。大型プラズマの加熱・電流駆動を担う発電実証プラントのNBIは、これまで以上の高効率,高エネルギー,高信頼性・長寿命化が要求される。加速器には、高効率・高エネルギーの点から、静電加速方式の選択が現実的である。放射線環境での運転を考慮すると真空絶縁が不可欠であり、その設計ガイドラインから、ビームエネルギー1.5$$sim$$2MeVが可能であることを示した。負イオン源の信頼性向上,長寿命化ためには、従来の大電流・高電流密度負イオン生成技術に立脚した、フィラメントレス・セシウムフリー負イオン源の開発が必要である。さらに、NBIシステムの効率を決める中性化方式については、従来のガス中性化(効率60%)では要求性能を満足し得ず、中性化効率80%以上のプラズマ中性化等が必要となる。最近、高効率・連続運転の可能な高出力半導体レーザーが製品化されており、これを用いて中性化効率90%以上を実現するレーザー中性化セルの概念を提案する。

論文

Japanese activities in ITER transitional arrangements

森 雅博; ITER Japanese Participant Team

Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.69 - 77, 2006/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:9.94(Nuclear Science & Technology)

ITER移行措置(ITA)では、各参加極ごとに設けられた参加極チームの協力のもとに国際チームを中心としてITER建設の準備作業が進められている。日本では、原研の中に編成された日本参加極チーム(JA-PT)がITER機器の調達における製作技術と品質管理手法を確証するために必要な多くの技術作業を分担実施して貢献してきた。例えば、JA-PTは、Nb$$_{3}$$Sn撚り線の試作試験を日本国内4社の協力を得て進めており、既に一社に対してはITERの要求条件を満足する一つの撚り線構造を決定することができた。他社の試作撚り線を含めて全ての撚り線の確認は、2005年末までに完了する予定である。TFコイルの構造材料や中心ソレノイドコイルジャケットの工業レベルでの試作も進めている。また、真空容器や遮蔽ブランケットモジュールの部分モックアップの試作によって、製作技術と品質試験法の実証を進めているところである。さらに、より信頼性が高く長期間にわたる安定な運転や長パルス運転に向けて、NB及びECシステムに関する幾つかの改善法を見いだすなど、設計の詳細化に資する検討等を実施した。これらの準備作業を実施することによりITER機器の調達仕様を最終化することが可能になる。

論文

ITERにおける核融合装置規格開発の考え方

中平 昌隆; 武田 信和

保全学, 4(4), p.47 - 52, 2006/01

ITER(国際熱核融合実験炉)の構造技術基準は、ITERが核分裂炉と比較して全く異なる安全上の特徴と構造機器を有し、製作及び検査の観点から新しい技術を導入する必要があるため、革新的なものが必要である。この核融合構造技術基準は国際性が重要であることを勘案し、日本とASMEとで共同開発を開始した。本論文は、ITERの特徴を安全性,設計及び製作の観点から抽出し、核融合構造技術基準を開発する考え方を提案するものである。

報告書

核融合装置二重壁真空容器設計の合理化と実用化に関する研究

中平 昌隆

JAERI-Research 2005-030, 182 Pages, 2005/09

JAERI-Research-2005-030.pdf:12.57MB

ITERの真空容器は供用中非破壊検査が困難なため、全く新しい安全確保の考え方を構築する必要がある。また、二重壁構造の閉止溶接の裏側へのアクセスが不可能であるため、従来の構造技術基準では対応できない。さらに高さ10m以上の大型構造体であるが$$pm$$5mm以下の高精度で製作する必要があり、複雑形状で大型なため合理的な溶接変形予測手法を構築する必要がある。本研究では、微小な水リークによる核融合反応停止という性質に着目し、トカマク型の核融合装置が反応停止にかかわる固有の安全性を有することを証明した。これにより、安全性を損なわず供用中非破壊検査が不要とする大幅な合理化の提案ができた。また、二重壁構造を合理的に構築する部分溶込みT字溶接継手を提案し、継手強度並びにすきま腐食感受性を定量的に把握し受容性を確認した。さらに、合理的な溶接変形予測手法を提案するとともに、実大での溶接試験結果と比較してその有効性を確認し、大型の複雑形状を持つ溶接構造物の溶接変形を簡易的に、かつ十分な精度で評価できる手法を提案した。

論文

R&D on a high energy accelerator and a large negative ion source for ITER

井上 多加志; 谷口 正樹; 森下 卓俊; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; 今井 剛*; 柏木 美恵子; 坂本 慶司; 関 孝義*; 渡邊 和弘

Nuclear Fusion, 45(8), p.790 - 795, 2005/08

原研では、1MeV加速器と大型負イオン源の開発を推進してきた。本論文はITER NBシステムの実現に向けた1ステップである、以下の開発の進展を報告する。(1)加速器開発:耐電圧性能の向上により、H$$^{-}$$イオンの1MeV級エネルギー加速試験が進展している。1MeV, 100mA級H$$^{-}$$イオンビームを実用規模である100A/m$$^{2}$$程度の電流密度で発生しており、イオン源の調整により、電流密度のさらなる増大が見込まれる。(2)大型負イオン源開発:既存負イオンNBシステムにおいては、負イオンの空間一様生成がNB入射性能を左右する要因となっている。本研究では、磁気フィルターから局所的に洩れ出た高速電子が負イオン源引き出し領域に生成した負イオンを破壊していることを明らかにした。本論文では、幾つかの対応策とその試験結果についても報告する。

論文

R&D on a high energy accelerator and a large negative ion source for ITER

井上 多加志; 谷口 正樹; 森下 卓俊; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; 今井 剛*; 柏木 美恵子; 坂本 慶司; 関 孝義*; 渡邊 和弘

Nuclear Fusion, 45(8), p.790 - 795, 2005/08

 被引用回数:23 パーセンタイル:59.5(Physics, Fluids & Plasmas)

本論文では、ITER NBIシステムを実現するために原研が行ってきた、1MeV加速器と大型負イオン源の開発研究に関する以下の成果を報告する。(1)加速器開発:耐電圧性能の向上により、H$$^{-}$$イオンのMeV級加速試験が進展した。これまでに、1MeV, 100mA級H$$^{-}$$イオンビームを実用規模である100A/m$$^{2}$$程度の電流密度で発生しており、イオン源運転条件の調整により、さらなる電流密度の増大が見込まれる。(2)大型負イオン源開発:従来、大面積引き出し面上に生成する負イオンの一様性が問題となっていたが、本研究により、磁気フィルターから局所的に漏れ出た高速電子が負イオン引き出し部に生成した訃音を破壊していることが明らかになった。本論文では、高速電子漏洩の遮断による一様性改善の結果を報告する。

論文

Acceleration of 100 A/m$$^{2}$$ negative hydrogen ion beams in a 1 MeV vacuum insulated beam source

谷口 正樹; 井上 多加志; 柏木 美恵子; 花田 磨砂也; 渡邊 和弘; 関 孝義*; 坂本 慶司

AIP Conference Proceedings 763, p.168 - 175, 2005/04

ITER-NBI用負イオン源には200A/m$$^{2}$$の高密度重水素負イオンビームを1MeVに加速し、40Aのビームを生成することが求められている。この加速器では、プラズマからの放射線による放射線誘起伝導(RIC)が問題となるため絶縁ガス(SF6等)を使用できない。このため、原研では真空中に加速器構造全体をおいて高電圧を絶縁する真空絶縁型加速器(VIBS; Vacuum Insulated Beam Source)の開発を行ってきた。これまでに約1.8mまでの真空長ギャップ放電特性を明らかにし、また、加速絶縁管の耐圧を3重点の電界緩和によって改善した。負イオンビーム加速では、負イオン源にセシウムを添加して大電流密度ビーム加速試験を行い、100A/m$$^{2}$$級の負イオン加速時にもVIBSの耐電圧に問題が無いことを実証した。現在までに、800keVで102A/m$$^{2}$$(141mA)までの加速に成功し、負イオン生成部のさらなる調整によってITERでの目標の200A/m$$^{2}$$の加速の見通しを得ている。

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